KAIDAN
雨音に紛れて鳴り続ける、古時計の終わらない時

30日恐怖度★☆☆☆☆1票・残り29日
📖 創作怪談:この物語はフィクションです。実在の人物・団体・場所・事件とは関係ありません。
古びた家に住む私の部屋には、祖母から譲り受けたアンティークの柱時計があった。長く動いていなかったそれが、数日前から突然、深夜になると針を動かし始めたのだ。
初めは気のせいかと思った。雨音が時計の動くカチカチという音と重なり、妙に耳についただけかもしれないと。しかしその夜も、時計は確かに時を刻んでいた。
しかもその時刻が、いつも午前三時ちょうどなのだ。針は止まることなく刻み続け、虚ろな光の中でカチカチと規則正しい音だけが響く。
不思議に思い時計を調べたが、内部は手入れされておらず、機械のどこにも異常は見つからなかった。周囲を見回しても、振り子を動かす他の力は感じられない。まるで何かが時計を動かしているようだった。
その夜、ふと窓の外を見た。真っ暗な庭には雨が降りしきり、草木が静かに揺れている。すると、誰も立っていないはずの軒下に、薄く白い影が一瞬だけ浮かんだ気がした。
私は心の中で祖母に呼びかけた。「なぜこんな時刻に時計が動くの?」返事はなく、次の瞬間にはその影も雨の中へと溶けていった。
それからというもの、毎晩午前三時に時計は正確に鳴り続けている。どうしても止められず、外すこともできないまま日々が過ぎていった。
そして今夜もまた、私はその音を聞きながら書きつけている。雨が止み、やがて夜が明けるまで、鳴り止まないカチカチ音だけが部屋を漂っている。
時計の針が指すその時刻には、もう誰も戻ってこないのに。
この話、どうだった?
公開後30日間の読者投票で恐怖度が決まります。
ADVERTISEMENT


