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KAIDAN

午前5時、Dropboxから聞こえる声

2026年10月6日 ネット怪談

午前5時を少し過ぎたころだった。

仕事を終わらせようと、パソコンの画面を眺めていた。

開いていたのはDropbox。

その中には、いつ作ったのかもよく覚えていないフォルダがある。

「よちぼんとメス豚美月の物語」

ふざけて付けた名前だ。

中には仕事で使うテーマやプラグインのZIPファイルが並んでいる。

その日も、いつものように新しいZIPファイルを保存した。

――そのときだった。

誰も触っていないはずのフォルダに、
見覚えのないファイルが増えていた。

「みてるよ.txt」

気味が悪かった。

けれど、眠かったこともあり、
自分で作ったファイルを忘れているだけだと思った。

開いてみた。

中には一行だけ書かれていた。

「うしろ」

思わず振り返った。

当然、誰もいない。

「くだらねぇ」

そう呟いてファイルを削除した。

すると数秒後。

また同じ場所にファイルが現れた。

今度の名前は、

「うしろじゃないよ.txt」

少しだけ手が止まった。

開く。

「画面の中だよ」

その瞬間。

真っ黒になったモニターに、
自分の顔が映った。

そして、その肩越しに――

見たことのない女が立っていた。

慌てて振り返る。

誰もいない。

もう一度モニターを見る。

女も消えていた。

ただ、Dropboxには新しいフォルダがひとつ増えていた。

「次はよちぼんの番」

それ以来、

午前5時にはDropboxを開かないようにしている。

ただ一つ、気になることがある。

あのフォルダを削除しても、

翌朝になると必ず戻っている。

そして今日、

フォルダの名前が変わっていた。

「今夜いくね」

この話、どうだった?

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